かけるのカリキュラム
3つの軸を基にカリキュラムを展開
社会参加
かけるでは、安心して過ごすことのできる居場所を拠点に、小規模コミュニティへの積極的な参加を促します。仲間や職員とのつながりを築き、人と関わる経験を積み重ねるなかで人間関係のスキルを高めます。また、社会的孤立を克服する手助けとなる居場所を提供し、将来的に自分の居場所を探すことができるように支援します。なかでも、コミュニティのなかで「自分は大切にされているんだ」、「自分にも居場所があるんだ」と思ってもらうことを最も大切にしています。
活動例
自分物語
普段は考えることのない自分の一面について書き出し、他者と共有する。他者に興味をもち、他者とコミュニケーションをとる切っ掛けを作ることもこの活動の重要な目的のうちの1つ。
活動例
かける運動部
野球やサッカーなどのチームスポーツをとおして、相手と言語的・非言語的コミュニケーションをとる機会を自然な形で提供する。ルールに基づいて体を動かし、チームプレイをとおして他者と関わることをねらいとしている。
体験活動
多彩な体験活動を通じて新たな趣味や才能を発見し、創造性を刺激することで、自己表現の幅を広げていきます。具体的にはアート、スポーツ、音楽など、中学生と高校生の興味に合わせたプログラムで成長の機会を提供します。ケン・ロビンソンの「才能を引き出すエレメントの法則」、すなわち、
- 能力を限定しない
- 好きになる
- 仲間がいる
- 環境から抜け出す
- チャンスを逃さない
- メンターと出会う
- 年齢にとらわれない
活動例
かけるデザイン科
季節行事や身の回りの出来事に着想を得ながら、発想をもとに工作や描画、ドライフラワー、貝殻アートなどさまざまなアートやデザインを楽しむ。必要になる材料や作業工程の下調べをし、購入を計画したり、サンプルを一度作ってみたりするなど、主体的な学習の態度を培っていく。
就労準備
職業訓練、面接スキルの練習、職場体験を通じて、将来のキャリアに必要な知識と技能を習得していきます。中高生の自立に向けた実践的なステップを踏むことで、自信を持って社会に参加する準備を整えます。さまざまな障害特性をもつ利用者にとって、就労支援において次の2ステップが重要であると考えられています。ひとつ目は、支援者が本人の認知特性やこだわり,家族背景を含めたアセスメントを徹底し, ふたつ目は自分の特技を使って社会に貢献することが可能であるということを教えていくことです(永吉、2017)。
活動例
履歴書の作成
これまでの経験やかけるにおける活動をとおして得た知識・スキル、趣味などをまとめ、履歴書という形で書き起こす(アウトプット)方法を学ぶ。就職のための1ステップであるだけでなく、他人に自分の特性を説明し、丁寧な字で伝わりやすい文章を書く練習をする。
活動例
インターンシップ
地域の企業や民間団体などの就職先と連携を図り、職場体験の機会を提供する。かけるの小規模コミュニティで培ってきたさまざまな社会的スキルを活かし、新たなコミュニティに入っていくための準備をする。
引用文献
永吉美砂子. (2017). 発達障害者の就労支援. The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine, 54(4), 279-282.ロビンソン, K & アロニカ, R/秋岡史訳. (2009). 才能を引き出すエレメントの法則. 祥伝社